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万燈明

およそ四半世紀ぶりに郷里の天満宮のお祭りに出かけた。
その日は天満宮に祀られる道真公の生誕を祝う誕辰祭で、花火も打上げられる。
子どもの頃、家族や友人とよく通った。結構な数の石段に蝋燭が規則正しく並べられている(たしか1万本)。
当時と違うのは、風除けか、1本、1本、プラスチックの囲いが置かれていたこと。
そういえば、消えてる蝋燭を見つけると、参拝者がめいめい隣りに立てられた蝋燭を手に取り、火を移していた、そんな記憶がよみがえる。
5歳と1歳の子どもたちに見せたい・・・と思って、ノスタルジーに浸りつつ、この日の帰郷にしたけれど、当の子どもたちは、どうにも、ふ〜ん、 という感じ。それより立ち並ぶ露天商のお店のなかから、マジレンジャーのお面を探すのに、夢中な様子・・・。(そうそう、めでたく、マジイエローを祖母 からゲットしました。)
石段の中ほどに立つ。上を望んでも、下を見おろしても、灯りが列をつくって、ゆらめいている。団扇をあおぎながら、行き交う人びと。もちろん暑いのだけれど、ふっとそんなことを忘れさせてくれる、眺め・・・。
昼間、熱い陽射しをうけながら、夏祭りにつきものの子ども神輿をかついで練り歩く。冷たいジュースとお菓子をご褒美にいただいて一休み。夜には、蝋燭の灯り と露店の品々を横目に、しずしずと石段を昇る。そして、お好みをだだこねてゲットして、打上花火を背に、ふりむき、ふりむき家路に向かった・・・。
じゅうぶん、浸ること、できましたっ。

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