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共生のパラドックス

「ウィズ コロナ」が言われるなかで、思い起こした <共生> の意味。
異種のものが相互に干渉し合い、挑戦と応戦を繰り返し、相互矛盾を克服したときに到達する相互依存が、まことの<共生>。きっと、ずいぶんと時間もかかるはず。
それは、まやかしの<擬似共生>とは異なる、と書かれている。

今日、いたるところで<共生>が叫ばれている。共生的秩序が限度を超えて崩壊しつつある現実は、他ならぬ人間関係の非共生的、反共生的な諸関係の介入によって生じたものである、といっていいだろう。人間を含めたグローバルな自然界全体の共生問題は、人間社会のなかの共生問題によって左右される。
「共生」という言葉は口当たり、耳当たりのいい響きをもっていて、この言葉によって誰もが安心感をもってしまう。異種のものが縄張りによって相互に干渉しないで、平和に共存していることが共生なのであろうか。生物学者、石川統によれば、本来の共生は平和共存とは似て非なるものである。
毒を持つイソギンチャクとオドケウオの共生は、毒に苦しめられる魚が相手に応戦する手段を進化させる結果、到達した相互依存関係であるという。異種のものが相互に干渉し合い、挑戦と応戦を繰り返し、相互矛盾を克服したときに到達する相互依存が共生であるというわけである。相互矛盾のないところに相補性も共生も生じないのである。これは<共生のパラドックス>である。
(中略)
まやかしの擬似共生から真の共生を区別するために、<共生のパラドックス>が自覚されなくてはならない・・・
塩原勉『転換する日本社会』新曜社、1994

いまの時代に、、

ワクチンは、治療法は、ここで書かれている、挑戦であり応戦であると考えれば、よいのかしら。
もうひとつ、「人間を含めたグローバルな自然界全体の共生問題は、人間社会のなかの共生問題によって左右される」とあるけれど、、こちらの意味は、まだぼんやりとしています。

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