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選り抜き

山口周著「外資系コンサルの知的生産術」(光文社新書)より「選り抜き」。
同書では「選り抜き」は9つまでとありましたが、結局11となりました。

ここでポイントになってくるのが「新しさ」には、二つの出し方がある、という点です。具体的には「新しさ」を出すには、「広さで出す」のと「深さで出す」のと、二つの方向性があります。(p18)
知的生産における失敗というのは、知的成果物の品質で決まるものではありません。知的生産における成功・失敗は、あくまでも「顧客の期待値と実際の成果物とのギャップ」によって決まります。(p32)
情報収集に当たってのポイントはズバリ「指示は『行動』で出すのではなく、『問い』で出す」ということです。(p33)
知的生産に従事する管理職の大事な役割は「ここまでやれば及第点」というラインを提示することです。…プロフェッショナルというのは80%の力でクライアントを継続的に満足させられる人のことです。(p37)
知的生産というのは結局のところ「行動の集積」にすぎません。その上で、さらにいえば、情報収集の成功は「腰の軽さ」で勝負が決まるという側面があります。「腰が軽い」というのは「まず行ってみる」「まず聞いてみる」といった態度で取れる情報をどんどん取りに行くという行動様式のことです。(p72)
皆さんが解こうとしている目の前の問題について、答えはこの世に存在しません。それを解けるのはその問題に直面している自分自身なのだという覚悟を、特に知的生産に関わる人であれば持っていてほしいと思います。(p75)
たとえ情報が不足しているように感じられたとしても、現時点でのベストエフォートとして明確なポジションを取ってほしいのです。(p97)
ポイントになるのがせいぜい五分程度の思考を、時間と場所を変えて繰り返し行う、ことです。知的生産の総量が結局のところ思考の総量に比例することは否定しませんが、思考の総量は「考える時間」の量よりも「考える回数」の量によって決まるというのが筆者の考えです。(p105)
プロセッシングの工程において折り返し点を回る際に、分析から統合へとモードを切り替えると同時に、論理から創造へとモードを切り替えます。モードの切り替えについては、…「統合」「分析」「論理」「創造」の四つのモードを段階に応じて使い分けることが求められます。(p108)
アウトプットが What Why Howの三つの要素を備えているかを意識してみましょう。ここでは Whatは「やるべきこと」、Why は「その理由」、How は「具体的なやり方」を意味しています。この中のどの部分が欠けたとしても、知的生産物は不完全なってしまいます。(p214)
アイデアの質はアイデアの量に依存するからです。量が質に転化する、これがアイデアの面白いところです。(p245)

クライアントにはあまり知られたくないことですが、ピンとくることの多い新書でした。「知的生産」の嘘くささを自省しますが、「それ(問題)を解けるのはその問題に直面している自分自身なのだという覚悟」は忘れないようにしたいと思いました。

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