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デザインのチカラ

「デザインは万能」と語る人にちょっと辟易したり、「社会を変えるデザイン」という言い方に違和感を感じつつ、、

くらしの課題を解決するのは、それに応えるモノやサービスを提供する企業があってこそで、そこをすっ飛ばして、デザインの力が云々、と語られても、どうなのかしらんと思ってしまう。
製品やサービスを提供することにより、くらしや社会の課題を解決していくというメッセージ。規模の大小にかかわらず、これをクリアに届けなければ、企業が生き残っていくことは難しいように思う。そんな感覚を社会や市民の側は、確かに持ち始めている。功利だけでない、社会的な意義のようなものを企業の信頼性を測る尺度ととらえる感覚。そんなマインドが拡がりつつあるように思う。
製品、ブランド、、いろいろと課題を抱える企業にとって、その解決にデザインやデザイナーだったりが一役買うはずだという期待は膨らむ。

ヒト、コト、モノに宿る…

外側から作用するばかりで、作為的で、解釈の表現が目立ちすぎるデザインもけっこう目につく。個人的には、手仕事の中にピュアなデザインが宿る民藝の方が好き。
抽象的な言い方しかできないけれど、、、素材や技に培われた製品の個性を発揮できるよう、モノとその周りを整えるのがデザインの本来の役割のように思える。デザインがモノの内側に入り込み、主張しないころ合いにまで溶け込んでいるか、どうか、、それを実現する、モノづくりとデザインの融合をプロデュースする担い手が必要に思う。

伝えること…

もうひとつ、作り手から使い手へ「伝える」経路の間に立つ流通の人がたくさんいて、作り手が意図しない経済原理も強く働き、伝えたい大事なことが、勝手にすり変えられたり、捨象されたりしてしまうことが多いように思う。
モノ(本物)と使い手の距離を縮め、ダイレクトに接すること、、あるいは他を語らせないほどシンプルなメッセージを中心に仕上げること。それができていれば、もっともっと「伝わる」だろうと。
その仕掛けの一つとして、「作り手」自身が「伝え手」となるという 奈良slow style の取り組みは、魅力的だし、信楽の 窯元散策路の wa も同じ方向を向いている。とくに、二代目、三代目のなかには、そうした感覚に敏感な人も多い。
そんな産地と産地をつなぐことで、相乗効果が生まれやしないか、、企業のモチベーションに直結するプライド(誇り)を抱き続けられるような仕掛けを考えていきたい、と思ったり。
意識の高い人が集い語り合う場づくりから、始まるのかもしれない、、と思い始めるこの頃。

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